花柄のトップデザイナーの創造源のひとつは、絵本。
Hanna Wendelbo スタジオ訪問記
花柄といえばこの人を外すわけにはいきません。壁紙デザイナーHanna Wendelbo ハンナ・ヴェンデルボさん。今年スウェーデン本国で出版された初の著書『hannas blomsterpill & mönsterlek』も、草花を並べる構成デザインをテーマにしています。活躍目覚ましいハンナさんのイェーテボリ郊外にあるスタジオを訪ねました。色をより感じるために白を基調にしたとても居心地の良いインテリア??。
著書のテーマでもありますが、3人のお子さんを育てながら日常をおくるハンナさんが、瞑想をする時を過ごすための美しい花の「マンダラ」づくり。広大なご自宅の庭園で摘む花々をマンダラをつくるように並べていく。その無為の時間をとても大切にされているそうです。子供たちのための「花マンダラ」ワークショップは算数の勉強を兼ねた楽しいものになるのだとか。本の中に出てくる鯉の絵は明るさの違う桂の葉を使っているそうで、色合いがとても味わい深いです。
ハンナさんのデザインのインスピレーション源のひとつは、「長くつ下のピッピ」やロッタちゃんシリーズでわが国でもおなじみの、Astrid Lindgren アストリッド・リンドグレーンの絵本。とくにスウェーデンが誇るポップグループABBAのジャケットも手掛けたハンス・アーノルドが絵を担当した『ひみつのいもうと』(原題= Allrakäraste Syster。岩波書店・刊)は幼いころから強い印象があるそうで、Midbec社の彼女の人気コレクション「Apelviken」にも影響がうかがえるようです。
ポストイットを使って柄のパターンを増殖させるテクニックも披露頂いたり、各種の絵の具で描かれた原画もたくさん見せてもらい、私たちにとっても心に残る貴重な体験となりました。(2019年5月30日訪問)
スウェーデン
にこやかに応対してくれたハンナ・ヴェンデルボさん