L.Rix Fantasy 上野リチ

L.Rix Fantasy

[エル・リュックス　ファンタジー]

上野リチ・リュックス（Felice[Lizzi] Rix-Ueno, 1893-1967）の世界

ウィーンと京都で活躍したデザイナー、上野リチ・リュックスをご存知でしょうか？1893年、オーストリアの芸術爛熟期にウィーンの富裕な事業家の長女として生まれました。彼女はウィーン工芸学校を卒業後、ウィーン工房の一員として活躍しました。また、同校で教授を務めていたヨーゼフ・ホフマンに師事し、そこで日本人建築家の上野伊三郎と出会い結婚、日本に移住しました。

彼女が生み出した「リュックス文様」と呼ばれるプリントの図案は、パリやニューヨークでも高く評価されました。東洋と西洋のデザイン要素を巧みに融合させた独自の美しさが、世界中で愛されています。彼女の作品は時代を超えて愛され続け、その独自の美しさとエレガンスは、現在でも多くのデザイナーにインスピレーションを与え続けています。

特に彼女の繊細で優美な壁紙は、サーフェイスプリント技術により再現されています。20世紀初頭のアーカイブからインスパイアされた彼女のデザインは、100年以上の時を経ても、自由奔放ながら優雅な線や明るく楽しい色彩の世界で、色褪せることのない魅力を放っています。

―わたしがデザインに対する考え方で何よりも重視していることは、“独創”そして“創造、ファンタジー ”です。ファンタジーとは、形式にとらわれず、個人の自由な発想によって作りあげられるもの。“個性”や“オリジナティ”をわたしは“ファンタジー”と言います。

What I value most in my approach to design is “original” and “creation, fantasy”. Fantasy is something that can be created by an individual's free imagination, regardless of form. “Individuality” and “originality” are what I call fantasy.
Felice“ Lizzi” Rix

上野リチ(1893-1967)

上野伊三郎

上野伊三郎は、京都の宮大工の家に生まれる。
早稲田大学で建築を学び、卒業後、単身ドイツに渡る。
ベルリン工科大学、ウィーン大学で学び、ヨーゼフ・ホフマンの建築事務所に勤務する。
在職中にリチと結婚。